かなり久しぶりにインターネプコンに行ってまいりました。

全体の印象として、年々同時開催が増え、いつの間にかにビッグサイトの東西両方の展示場を使っていることに驚きました。

会場案内図はこちらです。

http://app.reedexpo.jp/inw/INJ16_MAP_JF%201216.PDF

 

これをご覧いただくとお分かりのように、はんだゾーンが東1と東6で一番遠い対角に分かれてしまったため、移動が大変で非常に見づらい展示会でした。事前に案内図で見るところを考えてはいるものの、やはり行ったり来たりが発生し、無駄な移動に時間を費やしてしまったのも事実で、もう少し主催者側の配慮もあってはいいのではないかと思いました。

他にもいろいろ見たいところはあったのですが、時間の都合もあり目に付いたところだけ見てまいりました。かいつまんで、ご報告いたします。

 

マウンターメーカーは、ヤマハ、アイパルス、富士、マイクロニックが出展していましたが、第一実業がパナメインで出展しており、事実上パナソニックも出展ということになりました。

 

先日来よりソルダーペースト塗布が本掲示板で話題となっておりますが、マイクロニックMY600のデモには人だかりができていました。基本MY500のマイナーバージョンアップ版で、昨年6月のプロテックと同等の展示内容でしたが、最少塗布径や、タクトなど具体的な質問が飛び交っていました。注目度はかなりあるようです。しかしながらやはりタクトという点では、量産では厳しいという印象です。はんだについては、千住がメインのようですが、技術資料をいただくことは、難しいようです。千住にも聞いてみましたが、あくまでもマイクロニックに仕様書を渡しているので、そこからもらってほしいということでした。

偶然か狙ったかわかりませんが、向かい側のブース(アルファエレクトロニクス)にも、ノズル部の単体展示ですが、ソルダーペーストを塗布できるディスペンサが置いてありました。こちらは最小ドット系130μmだそうで、かなり微細なチップにも対応できそうです。ただしこちらも基板全面となるとタクトが問題になるようです。

 

アイパルスで、3次元実装の面白いデモをやっていました。3,4センチの車の模型(樹脂製)の表面に電子部品を実装するものです。

カタログより抜粋

この模型は樹脂に直接回路をめっきで作ったもので、3D MIDという技術で作られたもので、これは昨年のプロテックでも見ましたが、どうやって部品実装するか?が問題となっておりました。

http://smt-jissou-diary.seesaa.net/article/421624432.html

http://www.jmid.gr.jp/jp/index.html

 

 

今回アイパルスでは、ステージ側に3軸を有するワークホルダーを設置し、そこにワークを固定して上下、回転させてノズルに対して平行面を作り出し、回路上のパッドにディスペンサではんだを塗布し、さらに部品を実装するものでした。プロテックのときの課題を見事にクリアしていました。動画が取れなくて残念です。

残る課題は搬送と、はんだ付けです。営業さんに聞いてみたところ、搬送はキャリア治具のような形になるのではないか、そしてそのまま専用のリフローへ入る感じになるのではないか、というお話でした。

そうなると、それなりにイニシャルがかかるわけで、FPCが要らなくなる代わりに、治具費用が発生するという、どちらが得か?の話になりそうな気がします。いっそのこと搬送もマウンターのヘッドでリレーのように運んでくれないか?とも思いました。

また、このような立体物をそのままリフロー炉に入れることは現状不可能ですし、また専用機となると、それも多大な設備投資が必要になります。電子レンジのような形の少額なオーブンを複数必要に応じて投資するなどの、方法も検討の価値はあるのではないでしょうか。いずれにしても3D実装は今後の課題で、これから面白いものが出てきそうです。

 

千住金属ブースにも行ってみました。

我々実装やを悩ませ続ける、リフローのフラックス回収の決定版ともいえる装置が参考出展されていました。理屈は単純なのですがフラックスを冷やして水に溶かし、それを浄化して回収するというもので、おおよそ1か月に1度の回収装置のみの清掃で、フラックス回収が済みそうだということでした。現在モニターをある会社にお願いしてデータどりを行っているそうですが、一番フラックスがこびりつく冷却ゾーンも写真で見る限りかなりきれいな状態でした。

フラックスの分離はオゾンを使って行うそうです。このオゾン発生器とドライヤーの組み合わせにこの技術のノウハウがありそうです。

この装置の正式リリースはもう少し先になりそうですが、リフローの掃除から解放されることを考えると、一刻も早く正式リリースをしてもらいたいと思いました。

 

レポートとしては不十分なのですが、いかんせん正味数時間しか時間がなく、後ろ髪ひかれる思いで帰りました。興味深いものはたくさんありましたが、とにかくサラリーマンとして目的を果たさなければならず、ちらちら見ながら素通りするだけで、個人的には非常に残念な展示会となってしまいました。

ぜひとも、みなさんいかれた方の補足をお願いしたいところです。掲示板に書き込みなどいただければ、閲覧される方みんなで情報を共有できますので、小さなことでも書き込んでいただくと助かります。