第20回実装プロセステクノロジー展

2年ぶりにJPCAに行ってきました。

思ったほど混んでいなくて、ちょっと拍子抜けするぐらいでした。

当然全部は見て回れないので、マウンターメーカーを中心に見てきました。いつものように撮影禁止ですので、文章のみのご紹介となります。ご了承ください。


ここ数年の傾向というか、流行りで、IoTやM2M、インダストリー4.0等の語句がそこかしこに踊っていました。言わんとすることはわかるのですが、正直現場感覚からかけ離れていて、どこからどう手をつければいいのかわからない、言葉が先行していて、現実感的なイメージがわきにくいように感じました。

ユーザー側の言い分ですが、そういった言葉はあえて使わずに、例えばSPIからのフィードバックで印刷機を制御しますよとか、マウンターの稼働状況をリアルタイムでお知らせしますよとか、身近な具体例を全面に押し出して欲しいと思います。そういった積み重ねで設備と設備がシームレスでつながりにM2Mなり、さらに上位のERPやPDM、PLM等とつながれば、もっと便利になるでしょう?といった丁寧な説明がもっと欲しいように思います。


さて、特段目を引くような設備はなかった中で、YAMAHAの印刷機は人だかりができて目立っていました。プレミアム印刷機と銘打って、参考出展ながら実演も行っていました。

具体的には、究極の自動化ということで、段取りを極限まで自動化したものです。

目玉のひとつはメタルマスクの自動入れ換え。設備後部に次機種のメタルマスクをセットしておけば、自動的にメタルマスクを交換してくれます。動きとしては、スキージの軸が生産の終了したマスクを後ろ側に押し出し、エレベーターが下がって次のマスクを引き出す感じです。

この機構は目新しいものではなく、古くは天竜精機、最近ではパナソニックのオプション対応で見かけました。

バックアップピンも自動交換で、左右に100本ずつストックされたピンストッカーから拾ってあらかじめプログラミングされた場所にピンをたてます。これも以前富士のブースで見かけたことがあります。

一番の押しは、はんだの自動移送です。これが驚きの機構で、メッシュ状の専用スキージできれいにかきとって、次のメタルマスクにその形状を保ったまま供給します。写真がとれないので、うまく説明できないのですが、イメージとしては、食品で使われる古川機工株式会社のハンドスイットルのようなものです。(動画がありましたので、こちらを参考にしてください。まさにこのイメージです。マヨネーズがクリームはんだだと思ってください)

 

長いことこの仕事をやっていてさすがにクリームはんだの取り扱いだけは、人にしかできないだろうと思ってましたが、まさかの自動 移送 をやってしまうとは驚きです。

 

ただ、はんだ品種を変えることはさすがに自動では難しいのではないでしょうか。もちろんそのへんはメーカーも考えてはいると思いますが、いかんせん人が多すぎて質問できませんでした。


同じくヤマハブースで面白かったのが、3D実装です。以前にも参考出展されていましたが、今回は実際にユーザーで使われている方式を展示しておりました。唯一写真が取れた(許可をいただきました)ので掲載しておきます。

 

今回のマウンターでは、3D実装部分をフィーダーベースにおいて、搬送部から下受け冶具ごと3D実装部へヘッドが持ち運びます。下受け冶具を冶具アクチュエーターに自動接続し、あとは普通にディスペンサ塗布、部品実装を行っていきます。一番の売りは通常のプリント基板も流せるし、写真のような3D実装ワークもどちらも流せるようになったことです。前回の展示では確か専用機になってしまい、あまりにも高価な投資となってしまっていましたが、これなら仕事に応じてどちらも使えますので、投資コストの回収に役立ちます。


さて、展示内容とは別の話になりますが、東京ビッグサイトでの展示は今年で終了です。オリンピック開催の2020年までは別会場となるそうですが、この原稿執筆時点では、まだ詳細は不明のようです。

来年行かれる方は十分注意してください。