ソルダーペースト(クリームはんだ)

ソルダーペーストとは、クリームはんだとも呼ばれ、微細なはんだ粉末をフラックスで混練したもので、SMTでは欠かせない材料の一つです。SMT工法では、このソルダーペーストを基板上の必要な部分に供給することによりはんだ付けを行っています。

はんだ粉末は球形と不定形粉末の2種類がありますが、現在ではほとんどが球形が使われています。粉末粒径は各種ありますが、25~38μmクラスのものが良く使われているようです。

ソルダーペーストはある時は固体の性質を示し、ある時は液体の性質を示すという非常に不思議な振る舞いをします。

開封直後のソルダーペーストにへらを挿し込みます。

挿し込んだ形がそのまま残っています。固体の性質を示しています。


次によく撹拌した状態です。(私は攪拌機が嫌いなので、手で撹拌しています。)

ペーストが流れ、液体の性質を示しています。

このまま時間が経つとソルダーペーストは元の固体の性質を示すようになります。このような撹拌すると粘度が下がり、放置すると粘度が元の状態に戻るような性質をチクソトロピーと言います。

印刷はこのチクソトロピーをうまく利用してメタルマスクに充填や版抜けを行っています。またこのチクソトロピーのおかげで、印刷後のダレも防いでいます。


ソルダーペーストに求められる性能は、印刷性はもちろんですが、はんだ付け性(ソルダビリティ)、粘着性(作業性)、フラックス残渣の信頼性が同時に求められます。

粘着性はマウンターによってマウントされた部品を、接合が完了するまで保持する性能です。フラックス残渣は十分な絶縁抵抗を持つことと、長期間にわたって腐食しにくい性能であるか、が問われます。


ソルダーペーストは、これらの複数の条件をを満たさなければなりません。Pbフリーが出初めのころは、まともに使えるようなものはなかったのですが、最近の製品は非常に性能が上がり、印刷性は鉛入り共晶はんだと遜色のないものとなっています。