SMTにおける外観検査

SMTラインでは外観検査装置が重要な役割を果たします。ラインでは主に3つの工程の後に検査機が入ります。一つ目は印刷後、二つ目はマウント後、最後にリフロー後です。装置ではなく目視にて各工程を検査している場合もあります。

あくまでも一般的な反応として、まずリフロー後の外観検査機が重要視されているように思います。しかし、この時点で不具合を発見しても、流出は防げても、再発防止にはなかなかつながりません。不具合はなるべく上流で見つけたいものです。不具合を修正する工数は後に行くほど爆発的に増えます。印刷直後であれば部品が載っていないので、基板洗浄のみですが、部品を載せてしまうと、印刷そのものを修正することはまず不可能です。泣く泣く部品を捨てるか、そのままリフローに投入するしかありません。リフロー後に不具合が発見されるとさらに厄介です。いったん接合された部品を修正するには、熟練工のはんだこてによる修正にしか頼るしかありません。さらにBGA等では専用のリワークマシーンを使うしかなく、修正が成功すればよいですが、失敗すれば基板を廃棄しなくてはならなくなります。ちょっとさかのぼってリフロー前の検査だと、部品のずれ程度なら修正はまだ簡単です。この工程での検査では、マウンターが近いために連続した不具合があれば、すぐに対応できますが、やはりさらに上流の不具合まで見ることはできません。印刷後直後に検査が行われれば、印刷不具合の流出を防止するとともに、すぐ上流の印刷機の状態も判断できます。

一般的にリフロー後の検査機導入が重視される理由は、工程管理より人件費削減が目的のようです。経営的観点から目視工程の人数を減らしたいというのは、大きな理由の一つのようです。

しかし、不具合が減らなければいくら検査機で良不良の仕分けをしても、修正工数が減りません。プロセス管理の観点からは、最上流工程の印刷検査が重要な役割を果たし、マウント後(リフロー前)で改善の機会、リフロー後の外観検査は品質保証の役割といえるでしょう。