チップ部品はもちろん電子部品は年々小さくなっています。
ダイオードも同様で、リードの付いたタイプで最少のロームVMD2パッケージを取り上げたいと思います。
このパッケージは、厚さ0.13mmと薄いリードがボディ下に若干もぐりこむ実装する側としては少々取り扱いが厄介なパッケージです。
このような短いリードで、上部まではんだを必要としない接合部は、メタルマスクを100%開口にしてしまうと、余剰なはんだがリード上部に塗れ上がり球状に凝固して、目視検査及びAOIでの検査を困難にしてしまいます。
そこで、なるべくはんだ量を減らしつつきれいなフィレットが形成できないか、メタルマスクの開口で実験してみました。
まずパッド寸法です。これはメーカー推奨のままです。
最初にチャレンジした開口は、0.5mmの円です。以下メタルマスク厚はすべて0.1mmです。
ソルダーペーストは、Type4:25〜36μmのPbフリーです。
部品が浮き上がりあまり良い状態ではありません。AOIでは、部品が斜めに写るためOK判定にするために調整が必要です。毎回同じ方向と傾きならいいのですが、ランダムに浮きますので、非常に設定が煩雑になります。
次にややはんだ量を減らして、0.4mmの正方形でパッドのセンターに開口しました。
若干良くなったように見えますが、ばらつきがまだ多いようです。
さらにはんだを減らすために、0.45の円で開口しました。
だいぶ良くなってきたものの、はんだボールが発生するものも出ました。
次に0.4の円で開口してみました。
凸面のフィレット形状は解消され、実装品質は安定しました。
パッドに対する開口面積の比率は、
φ0.5mm→78.5%
□0.4mm→64%
φ0.45mm→63.6%
φ0.4mm→50.3%
です。(メタルマスク厚はすべて0.1mm)
リード(電極)が微小のため、かなりはんだ量を絞らないといけないことがわかります。